遺言執行者の権限とは?選任するメリットも併せて解説
家族が亡くなって、故人が生前遺言書を作成しているケースもあるでしょう。
この時、遺言執行者を選任する方法があります。
ここでは遺言執行者とはどのような権限を持った人なのか、選任するメリットはどこにあるかについて見ていきます。
遺言執行者とは何か?
遺言執行者とは読んで字のごとく、遺言書に書かれている内容を執行する人です。
たとえば遺言書に「私の所有する土地をAに相続させる」と書かれてあったとしましょう。
遺言執行者はその内容に従って、Aさんに対象の土地の登記手続きをし、Aさん名義に変更します。
もし登記手続きをしなければ、その土地は亡くなった人の保有する状態のままです。
行為そのものも可能
遺言執行者は、遺言書に書かれている内容を実行するために相続財産の管理など遺言執行に必要なすべての行為を行う権限が付与されます。
ここでよく勘違いされるのは、相続財産の監督や管理だけが権限というものです。
しかし管理するだけでなく、行為できる権限もあります。
たとえば預貯金の払い戻しが必要であれば、遺言執行者は金融機関に行って払戻の手続きまで行えます。
遺言執行者には履行すべき義務がある
遺言執行者になったら相続人全員に対し、自分が遺言執行者になった旨を通知しなければなりません。
2019年の民法改正時に、こちらが義務化されました。
通知を行わずに手続きを相続人のあずかり知らぬところで進めると、相続人が遺言の内容がわかりません。
それで両者の間でトラブルが発生することも多かったので、通知義務が新たに設けられたわけです。
遺言執行者を選任するメリット
遺言執行者は専任しておいた方がいいでしょう。
手続きがスムーズにいきますし、相続人が勝手に財産を処分できなくなるからです。
手続きの円滑化
遺言執行者を選任すれば、相続に関する手続きを一括で行ってくれます。
不動産登記の申請なども行う必要がなくなるので、相続人の負担軽減につながるわけです。
無断で財産処分できなくなる
遺言執行者がいれば、相続人は遺言書の内容を反故にして、遺言執行者に無断で勝手に財産を処分できなくなるのもメリットの一つです。
実際に処分したとしても、無効になってしまいます。
まとめ
遺言執行者は遺言書の内容にのっとり、財産の処理ができます。
登記手続きや金融機関での被相続人の口座管理などの一切を任せられます。
家族が亡くなると死亡届や年金に関する手続きなどさまざまな作業が発生し、負担も大きくなります。
遺言執行者を選任しておけば、自分たちのやるべき作業が軽減できます。
遺言執行者は通常弁護士や司法書士の中から指名するので、早めに相談しておくといいでしょう。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
生前贈与と特別受益の...
生前贈与と特別受益は、遺産分割において重要な概念であり、これらによって各相続人がもらえる遺産に変動が生じる場合もあります。もっとも、両者の違いについて正確に理解している人は多くないのではないでしょうか。 この記事では、生 […]
-
遺言書の効力
「遺言」と書いて、なんと読むでしょうか。日常的には、「ゆいごん」と読むのですが、特に法的な意味で使う場合は、「いごん」と読むことのほうが多いのです。なぜこのように使い分けるかというと、「遺言」の中でも、法律上の厳格な規定 […]
-
成年後見制度の問題点...
両親が高齢になると、認知症の問題も真剣に検討しなければなりません。もし認知症に親が立って、自力で財産管理が難しくなった場合、成年後見制度は適当な対策の一つといえます。口座の凍結防止になりますし、認知症の親に変わって預貯金 […]
-
行方不明の相続人と連...
家族や親族が亡くなり、その遺産を相続するには、遺産の相続権を持つ法定相続人全員で協議を行う必要があります。もちろん法的拘束力を持つ遺言書がある場合は、遺言書に基づいた遺産相続となりますが、遺言書がない場合、遺産分割協議は […]
-
任意後見の手続きの流...
任意後見制度の手続きの流れをご説明します。まずはじめに、任意後見人となるべき人を決定します。将来任意後見人となってくれる人を任意後見受任者といいます。任意後見受任者は、家族や知人、司法書士や弁護士などの専門家や、法人など […]
-
遺留分侵害額請求の手...
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた最低限の遺産の取り分のことを指します。これは、各相続人の生活保障などのために、最低限の財産取得を保証する役割を持ちます。 不平等な遺言があったなどの原因で自己の遺 […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
-
- 生前対策 弁護士 相談 都内
- 生前対策 弁護士 相談 新橋
- 財産管理 弁護士 相談 港区
- 財産管理 弁護士 相談 都内
- 相続問題 弁護士 相談 都内
- 遺言書作成 弁護士 相談 港区
- 成年後見 弁護士 相談 新橋
- 生前対策 弁護士 相談 全国対応
- 成年後見 弁護士 相談 全国対応
- 相続問題 弁護士 相談 新橋
- 遺言書作成 弁護士 相談 都内
- 成年後見 弁護士 相談 都内
- 遺言書作成 弁護士 相談 新橋
- 遺言書作成 弁護士 相談 東京23区
- 財産管理 弁護士 相談 東京23区
- 生前対策 弁護士 相談 東京23区
- 財産管理 弁護士 相談 全国対応
- 成年後見 弁護士 相談 港区
- 生前対策 弁護士 相談 港区
- 財産管理 弁護士 相談 新橋
資格者紹介
Staff
代表弁護士 大野 康博 (おおの やすひろ)
-
- 所属
-
- 東京弁護士会 登録番号 23191
- 平成14年~現在 東京家庭裁判所家事調停委員
- 平成24年~現在 原子力損害賠償紛争解決センター仲介委員(文部省)
-
- 最終学歴
- 早稲田大学法学部
-
- 注力分野
-
- 遺産相続・後見
- 消費者被害
- 交通事故
- 労働
- 借金問題
- 企業法務
- 刑事事件
- 離婚男女問題
-
- 自己紹介
- 弁護士歴20年以上の経験で培ったリーガルサービスを多くの方にご体験頂く為にご相談者の目線にあわせた各種サービスを取り揃えております。お気軽にお問い合わせください。
事務所概要
Office Overview
事務所名 | 碑総合法律事務所 |
---|---|
代表者 | 大野 康博 ( おおの やすひろ ) |
所在地 | 〒105-0003 東京都港区西新橋1-20-3 虎ノ門法曹ビル804 |
TEL/FAX | TEL:03-3595-1631 / FAX:03-3595-1632 |
営業時間 | 平日 8:00 〜 24:00 (事前予約で休日、時間外対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝日 (事前予約で休日、時間外対応可能です) |
アクセス | 都営三田線/内幸町駅徒歩3分 東京メトロ銀座線/虎ノ門駅徒歩3分 山手線/新橋駅徒歩7分 |